AGAは、男性の脱毛症の大部分を占めている症状で、遺伝やホルモンなどが発症に関与しています。
テストステロンの分泌量が急激に増加する思春期以降に徐々に進行し、20代の後半から30歳にかけて著明となるというのが一般的な傾向です。
ちなみに、AGAの原因物質のDHTの生産に関与しているII型5α-reductaseという還元酵素は生え際から頭頂部にかけての毛根内部に存在しているので、脱毛部位はこの範囲に集中することになります。

なお、この症状は基本的には生理的な現象に過ぎず、放置しても寿命が短くなるということはありません。
このために気にしないようにするのが最も適切な対処なのですが、最終的には生え際が後退するような形で頭頂部までの髪の毛が完全になくなるので、見た目の印象は大きく変化してしまいます。
特に、10代や20代といった若年時に進行すると周囲にはほとんどいないために目立ってしまい、精神的にかなりのダメージを受けることも少なくはありません。

このように不愉快な症状であるAGAですが、実は既に対処する方法は考案されているので、発症したからといって絶望しなくても大丈夫です。
また、その方法の中には薄毛がかなり進行してしまった状態からでも回復可能なものもあります。
それは、ミノキシジルという成分を配合した外用薬を使用するという方法です。

このミノキシジルとはアメリカで降圧剤として開発された成分で、脱毛症に対して改善効果が発見されたため、こちらを適応症として使用されるようになったという経緯をたどっています。
このために、脱毛症に対しての具体的な作用機序は現在でも完全には解明していませんが、強力な発毛効果を発揮することは複数のランダム化比較試験などで確認されています。

ちなみに、ミノキシジルは河童ハゲなどと呼ばれている頭頂部の薄毛に対して特に有効で、頭皮が完全に外部に露出しているような状態から回復させたケースも少なからず報告されています。

ミノキシジルの正しい使用方法と効果が現れる期間

薄毛の薬であるミノキシジルは降圧剤としては内服薬として用いられていたのですが、脱毛症に対しては頭皮に塗布する外用タイプとして提供されています。
これは、内服薬として開発していた際に、犬を使った動物実験で心臓が破裂して死亡するという事故が発生したためです。

ちなみに、個人輸入代行業者などで取り扱われている「ミノキシジルタブレット」とは、降圧剤として海外で販売されているものです。
つまり、AGAに対してこれを使用するのは本来とは違う目的での利用ということになるので、不測の事態が発生する危険があります。
このために、薄毛を改善するためには外用タイプのミノキシジルを使用するのが賢明です。

なお、AGAはDHTの作用により、ヘアサイクルが狂わされてしまったことで髪の毛が成長途上で抜けてしまうというのが薄毛が進行する仕組みです。
ミノキシジルは、毛包にダイレクトに作用してタンパク質の合成や細胞の増殖を促進して発毛効果を示し、ヘアサイクルを正常な状態に復活させます。

それでは、AGA治療を開始して、効果が現れるまでにどの程度の期間が必要かというと、国内の製薬メーカーが実施した臨床試験が参考となります。
それによると、スタートして4週間の時点では4.1%にしか見られなかった軽度改善が12週間後には59.2%にまで増加しています。
このために、使い始めてから大体3ヶ月程度で効果を実感できるようになるということになります。

その後、16週間後には中等度改善というレベルアップした効果を体感する割合が10.4%に見られ、20週間後には37.5%にまで増加します。
そして24週間後には2.1%になり、これよりもさらにレベルアップした著名改善が確認されます。
なお、この試験は最終的に52週間が経過するまで続けられたのですが、それによると軽度改善が10.0%、中等度改善60.0%、著名改善24.0%、不変4.0%、悪化2.0%という内訳です。